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【作品概要】夢の雫、黄金の鳥籠
作者 | 藤原千絵 |
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出版社/掲載誌 | 小学館/姉系プチコミック |
発表期間 | 2010年 |
巻数 | 12巻(2018年12月時点) |
ジャンル | 歴史マンガ |
イケメンにトキめく判定 | |
ドロドロ判定 | |
総合評価 |
DEFUGAMIのチェックポイント
- 歴史的背景が、細かく調査されているので、主人公の境遇や想いに感情移入しやすい。
- ヒーロー的な良いことばかりではなく、目を顰めてしまう場面も、しっかり描かれている。
- ロマンス小説のような、王子様に出会ってハッピーエンドではなく、リアルな感情や起こりそうな事態も、随時散りばめられている。
- それぞれのキャラクター設定が、細かくされ悪役であっても、背景を考えると素直に憎めない部分がある。
- 決して許されない、禁断の恋にトキメク。
夢の雫、黄金の鳥籠はこんな人にオススメ
- 歴史的な背景や登場人物の設定が、シッカリとした漫画を読みたい。
- 女性が主人公の漫画を読みたい。
- アラビアンロマンスの作品を好む。
- ドロドロとしたストーリーが好き。
あらすじ|激動の時代をかける一人の少女
今ではあまり考えられませんが、当時は生まれた場所から、生涯を通し村から出ることはありませんでした。
村人はみな、疑問をもつこともなく、村から出たいという発想すらありません。
そん中、アレクサンドラだけが、鳥のように外の世界へ飛び出して、自由に生きることに憧れながら暮らしていました。
激動の時代の波にのまれたアレクサンドラの運命は?
アレクサンドラは、故郷を出ることはできましたが、彼女の胸の内は複雑だったはずです。自分が奴隷として売られることを知り、強いショックを受けます。
無我夢中で逃げる中、友人とはぐれた後、アレクサンドラは男たちに襲われてしまいます。その時に、後にアレクサンドラを競り落とすマテウスに助けられますが、アレクサンドラはこのまま見逃してくれないかと提案しました。
マテウスは、このまま逃げても本当の自由は得られないと、アレクサンドラに伝え助言します。
翌日、アレクサンドラは競売にかけられ、運命かのようにマテウスに売られます。
実のところマテウスは、オスマン帝国皇帝スレイマン1世に幼い頃から使える高官でした。マテウスは、主人である皇帝スレイマンへ、献上するための女性を探していたのです。
アレクサンドラは、結果的に思わぬ形で故郷を出ることになりましたが、いろいろなことを学べる機会だと、意欲的に学んでいきます。
今まで、狭い世界にいたアレクサンドラは、新しく様々なことを知り、学ぶことが楽しく感じていました。
そして、二度も自分を助けてくれたマテウスに、仄かな想いを抱きはじめます。
マテウスは、教育の成果や暮らしに不自由がないか気遣う姿勢を見せながらも、皇帝へ献上することは伏せたままでした。
マテウスは、彼女の名前を新しく、扉のない黄金の鳥籠として『ヒュッレム(意味は朗らかな声)』と名付けました。
また、アレクサンドラへ『自由とは心のもちよう』だと諭します。
恋心を抱えていたアレクサンドラは、強くショックを受けますが、マテウスのためにもハーレムに入ることを決意します。
ハーレムの一員となったヒュッレムに待ち受けていた試練しは?
ハーレムは、表向き煌びやかな世界ですが、死と隣り合わせでもありました。
ヒュッレムは、ハーレムで生き残るため、学問や権力の使い方などを身につけて、必死に生き残ります。
ハーレムでは、いつの間にか女性がいなくなることは、よくあることでした。
実は、その裏では暗殺されていたんですが、なみ見て見ぬ振りを通しています。
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篠原千絵先生のマンガに登場する女性たち
ヒュッレムの哀しい思いと、それに立ち向かう勇気が、自然と応援したくなり、篠原千絵先生らしいキャラクターでした。
篠原千絵先生が描く女性は、敵であっても芯があるキャラクターを作られるので、どの人でも必死に生きている力強い印象を受けます。
今回のご紹介は、主人公のヒュッレム目線でしたが、彼女の周囲に登場するライバルたちにも注目してください。
知らず知らずのうちに、敵の女性にも同情してしまうのが、篠原千絵先生の作風だと感じます。
DEFUGAMIの感想|読む手が止まらない
ハーレムという、閉ざされた環境でしか、生きることを許されない女性ばかりです。
自分の産んだ子を守るために、身ごもった他の女性を貶めたり、皇帝の目に止まらず刺客になった女性が登場したり、現代では考えれない状況ばかりでした。
電子書籍でも読める『夢の雫、黄金の鳥かご』
まったく知りませんでした、この作品!ユーリのときみたいにハラハラし通しな予感!これは読まなくては…!